制作年:2012年 ◊ 原作:小玉ユキ ◊ 監督:渡辺信一郎 ◊ 音楽:菅野よう子 ◊ 制作:MAPPA/手塚プロダクション ◊ © 小玉ユキ・小学館/「坂道のアポロン」製作委員会

佐世保、JAZZ、クリスチャンの組み合わせが、レトロな清涼感を醸し出す。   

ビートルズがはやり始めた頃ですから、1960年代後半の長崎県佐世保市が舞台になっています。横須賀と並ぶアメリカ海軍の駐留拠点ですから、街の中にはJAZZなどのアメリカ文化が根付いています。

高校生の物語です。横須賀(都会?)からの転校生:僕は、クラス委員の彼女に惹かれています。彼女は幼なじみの暴れん坊の彼氏がずっと好きです。暴れん坊の彼氏は上級生の女子が好きです。上級生の女子は大学生が好きです。という一方通行の三角関係が2つもつれたストーリーに、60年代後半にはもう流行らないJAZZが絡んでいきます。

主人公の薫は、子供の頃からクラシックピアノ。暴れん坊の千太郎は、JAZZドラム。はじめは相容れない二人ですが、クラス委員の律子が間に入り、だんだんとJAZZにのめり込んでいきます。最後は千太郎の出生や長崎ならではのクリスチャンの世界も加味されて、物語りは展開していきます。

絵柄がちょっとレトロで、60年代後半の田舎の描写にピッタリ合っています。主人公の薫と律子のキャラクターはちょっと手塚治虫のキャラっぽくていいですね。手塚プロゆえんでしょうか。

アニメは音楽の上でもとても高品質なものを生み出していると思います。中でも二人の女性コンポーザ、菅野よう子と大島ミチルは、素晴らしい仕事をしてくれます。もちろん、アニメに限らず映画、TVドラマ、ゲーム、CMでも活躍していますので、映像音楽というジャンルの才女なのでしょう。

「坂道のアポロン」は、そのひとり菅野よう子が音楽を担当しています。JAZZは嫌いと明言する菅野よう子が、JAZZが主題のドラマをどう色づけたのかも楽しみのひとつです。

12話の各タイトルにはスタンダードジャズのタイトルが使われています。
「モーニン」「サマータイム」「いつか王子様が」「バット・ノット・フォー・ミー」「バードランドの子守唄」「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」「ナウズ・ザ・タイム」「ジーズ・フーリッシュ・シングス」「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」「イン・ア・センチメンタル・ムード」「レフト・アローン」「オール・ブルース」。

各回の内容と曲のタイトルが呼応しています。
END。

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