制作年:2008年(全13話)◊ 原作:支倉凍砂(「狼と香辛料」電撃文庫刊) ◊ 監督:高橋丈夫 ◊ キャラクターデザイン・総作画監督:黒田和也 ◊ 音楽:吉野裕司 ◊ アニメーション制作:IMAGIN ◊ (C)支倉凍砂/アスキー・メディアワークス/「狼と香辛料」製作委員会

資本主義経済の萌芽期を舞台に、狼神少女と行商人の旅の物語。何故か中世に花魁言葉!! 

2000年代前半までは、レンタルショップでビデオテープやDVDをレンタルして、映画やアニメを見ていましたが、2000年代後半には、光TVなどの配信サービスに移り変わっていきます。昨今(2018年現在)のインターネットオンデマンドの低料金、定額制と違い、月額7,000円くらいと記憶しています。それでもTUTAYAさんのレンタル料が月々2万円はかかっていた頃、随分と節約出来る上に、かなりの量のコンテンツが見放題となれば、選択の余地は無かった訳です。

アニメコンテンツが見放題となれば、何の前知識の無いアニメ作品も気軽に見ることが出来ます。そんな時分に「狼と香辛料」というタイトルに惹かれて見た作品。TV放映間もない頃だったようです。2008〜2010年頃は、今思い返してみるとなかなかいいアニメが多かったように思います。

ラノベを原作としたこの作品は、中世のヨーロッパ(ドイツ?)のような架空の世界を舞台に、人に変化する狼少女(ホロ)(というか神狼の化身、何百年も生きてる)と商人(ロレンス)が行商の旅をする話です。お話の中心は、旅の安全のため現金を持たないで取引する方法(為替)、異なる貨幣のレートでの儲け方、物流、保険などの原初の資本経済の話で進んでいきます。タイトルも「金と香辛料」という大航海前の近代資本主義の始まりを取材した本に由来しているそうです。

猫耳(狼耳)としっぽという萌キャラ設定も人気の要素かもしれませんが、多分この作品の原作小説も面白のだろうなと思っています。ただし、個人的なこだわりとして、アニメから入ったら原作を読まない、原作(小説、コミックを問わず)を好きだったらアニメ化、ドラマ化は見ないようにしています。往々にして、悲しい結果になるので。(例外もありますので悪しからず。)

この作品でホロが食べもの好き、酒好きだという設定があります。酒場のシーンがたびたび出てきて、ビールにワイン、ジャガイモやパン、その他いろいろな食べ物が出てくるのですが、その味を想像するのもちょっと楽しいです。あと幻の「桃の蜂蜜漬け」なるものが出てきます。(確かホロも食べたこと無かったような)やっぱり神様は酒好きじゃなくてはね。

もう一つ、素晴らしい設定がホロのしゃべり口です。何せ神様なのですから少しお高くとまった、高飛車な言葉遣いが必要になるわけです。それを花魁言葉を用いたところにあっぱれと思ってしまいました。これも原作の設定なのでしょうか?ホロの「わっちはのう。」「ぬしは。」「なんとかしてくりゃれ。」と語る声はこのアニメを引き立たせています。※娘が読んでいたので、原作本をちょっと覗いてみたところ、原作の表現でした。結構、原作に忠実な作品なのかも。

麦の豊作をアニミズム的な神に頼っていた人々のが、近代農業技術や資本主義経済に移っていく時代の変わり目。必要とされなくなった豊穣の神が北のふるさとに帰っていく。そんな背景のあるお話です。セカンドシーズン「狼と香辛料Ⅱ」もあります。
END。

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